旅の最後は富岡市へとやって参りました。
群馬県の南西部に位置する富岡市には、国宝および重要文化財に指定されている「富岡製糸場」が建造されています。
【東置繭所】
富岡製糸場は、明治5年(1872年)に明治政府が日本の近代化のために設立した模範器械製糸場です。
明治時代初期、日本の主要輸出品である生糸の生産を改革するために、製糸工場の建設が検討されました。
工場の設立にあたり、日本政府はフランス人の生糸技術者ポール・ブリューナ氏と契約を結び、富岡製糸場の計画・建設を経て操業にいたりました。
敷地は約5万5千㎡という広さを誇り、当時の建物をはじめとする多くの文化財を残しています。
『富岡製糸場と絹産業遺産群』の構成資産として、2014年(平成26年)に世界遺産に登録され、多い年では年間100万人を超える見学者が訪れるほど、いまや群馬を代表する観光スポットのひとつです。
敷地が広大なので、場内を隈なく見学するには丸1日を予定したほうがゆっくりと見学できそうです。
【東置繭所】の2階の内部です。天井は瓦を支えるための『トラス工法』で、中央には棟木まで達する杉の通し柱が建っています。当時は、この場所に16tの乾繭が保存されていました。
【西置繭所】
【西置繭所】は【東置繭所】とは距離を離して建てられています。
乾燥場で繭を、石炭を燃やした熱で乾燥させた後、倉庫でも自然乾燥させるために、風通しを良くする必要があったからとされています。
建物の造りは、東置繭所とほぼ同じ造りをしていますが、1階と2階では、煉瓦(レンガ)の積み方が違っています。後から積んだ1階は、平積みですが、当初から有る2階はフランス積みとなってます。
資料展示室は、壁・天井ともにガラスに囲まれたホールです。展示品とともに、当時のままの建物の壁や天井をガラスケースの中から鑑賞するという、とってもユニークな発想の空間です。